長引くコロナ禍は社会の偏りや脆さを顕にしました。

 生活、しごと、子育て、教育、そして女性を取り巻く環境などで苦悩を感じておられる方々へ目を離さず、一人ひとりの個人の考えや多様な事情を包摂する策と社会システムを構築しなければなりません。

 医療をはじめ介護・保育、スーパーなどの小売、交通や物流、ゴミ処理、自治体など、暮らしの前線で私たちの社会機能を維持してくださっているエッセンシャルワーカーの方々へ、心から感謝の気持ちでいっぱいです。

 一方で平時では心配のなかった職種でも、経済活動を躊躇せざるを得なくなった今次、仕事環境の変容のみならず、離職や廃業を余儀なくされた方もおられます。

 昨年、政府による緊急事態へ宣言が発出された4月には、男女とも離職者が大幅に増加しました。中でも非正規雇用の女性、40歳前後の方々が顕著でした。

 元来、雇用者数では、医療・福祉、宿泊・飲食、理容美容や旅行など生活関連、劇場や遊園地など娯楽関係、そして卸売や小売部門で、女性は男性よりも多く仕事に就かれていています。コロナ感染症対策へ取り組んで頂く中、影響を大きく受けた飲食や生活、娯楽に関わる業種での女性就業者の減少が如実となる一方、金融、医療・福祉分野では増加しフロントワーカーとして支えてくださっています。

 予期せぬ仕事の変化に、それぞれの立場でご苦労を重ねておられると存じます。また、自殺について看過できない傾向があります。昨年4~6月は平年よりも少なかったものの7月以降は女性、特に主婦の方が急増しました。

 また、自殺について看過できない傾向があります。昨年4~6月は平年よりも少なかったものの7月以降は女性、特に主婦の方が急増しました。

 コロナ禍の折、家族と過ごす時間が増えると、女性は男性より「子育てのしやすさ」や「満足度」が下がる傾向にあるとの調査結果(内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動変化に関する調査」)があります。ボストンコンサルティングによると、欧米でも共働き子育て家庭では、コロナ禍において女性は男性よりも、家事に週15時間多く費やされているとのことです。

 男性の意識転換とともに、家事や育児の代行など家事支援サービスの利用にかかる費用を税制面からも後押しすべきと考えます。

 先般の学校の3ヵ月間もの一斉休業は、子供の学習計画や学力向上に大変苦慮されたと存じます。教育におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、オンラインによる学校や学級を越えた遠隔教育、そして個々の問題理解のデータ分析をもとにした最適な学習が可能となります。一人ひとりの知的好奇心や情操が涵養され、リアルな学校では人間関係や社会性、規範意識を体得し、主体的な人生を歩めることが大切です。

 また、障害のある子供が安心できる家庭・学校・地域での連続的な背景もさらに整えていきたいと思います。

 企業では、テレワークや時差出勤、フレックスタイムとあわせて、様々な有給休暇、兼業・副業、職種別採用制度などの取り組みが、合理的な生産性や持続可能性の視点からも重要であるとの認識は進んでいます。そして現在の就業・雇用者数の動向は、男性は底ばいですが、女性のほうが先に好転しつつあります。

  女性や現役世代の皆様が不安やストレスを感じない生活環境、社会が当然となるよう、これからも一層努めて参りたいと存じます。

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