過日、緊急事態宣言明けの久々の地元のとき。

地域の顔役で自治会や消防、防犯活動に長年貢献されている年配男性のお宅へ訪問。

数年前の年末の夜、こちらの奥様がめずらしく家にいるご主人へ先に寝ますと二階の寝室に行ってしばらくすると、ご主人の携帯に奥様からの電話、助けての声。びっくりして二階に上がると倒れておられ、救急車を呼び、高次の救急指定病院へ。一命は取り留め、それ以降、ご主人が介護をされ、家業とともに今までされることがなかった家事もやっています。

四ヶ月ぶりにお会いしリビングに通して頂き、ご主人『俺だいぶ痩せちゃたよ』私「いやいや精悍な感じですよ」『桃を食べて行け』「いやいやお構いなく」『なんだ、俺のが食えねえのか』「いやいや頂きます」桃をむかれながら『なんだ、桃はむきにくいな、スイカにしよ、いいな』「いやいやお構いなく」『食えるだろ』と出してくださったスイカ。

私と秘書のお皿の上にはスイカの真ん中のとこのきれいな三角の輪切り、ご主人のは両側の端っこのとこ。

私は黙って、自分に出してくれたスイカひと切れとご主人のひとつを交換。『中山君は、そういうところ、気を遣うんだな』「いやいや端のほうが甘そうだから」

政治の活動は、多くの皆様の善意、深い情で支えられています。それでも、スイカの食べやすいところを僕に、端を自分にという思いやりは身に余り、たまらないです。

そして、私は奥様が救急で行かれた病院の話を切り出しました。経済安全保障に係る内容です。

「病院はコロナ禍で横浜港に停泊したダイヤモンド・プリンセス号で感染された乗船客も受け入れてくださいました。自身のことを顧みず対応して頂いた医療従事者の皆様には本当に頭が下がります。

病院は最近、新型コロナの診断にあたり、中国企業が研究開発したAIによるCTスキャン画像分析を導入しています。なぜなら、中国でこのウイルスがどこの国よりも早く発見され、解析のための画像データが大量に揃い、AIによる学習ができたからです。医師が診断すると約20分かかるところを分析だけならば3秒(通信時間をいれても20秒)でできてしまう、大変優れたものです。

もちろん病院での画像データは匿名化された上で中国企業に扱われますが、個人にとって、とても機微な疾患の情報、生体データで、プライバシーそのものです。

それは中国企業からの無償提供で行われています。臨床研究のための善意であると思います、でも、ひとが悪い私は、患者さんのために先進技術を診療に取り入れたいと考える病院を利用し、我が国での疾患データを収集されてしまう可能性が心配です。」 と、スイカのご主人に話しました。

『いま、それで助かってる人がいるんだろ、ならば穏便にしてやってくれ、日本製の同じものができるまで』

医療だけではなく金融システム、アプリはじめサイバー、基幹的なインフラの分野など我が国の実体経済へ既に浸透し、顕在化しつつある経済安全保障課題があります。それを解きほどき分断するのか、または受容するのか、それとも厳格なルールのもと内包するのか、考えねばなりません。

ご主人、私の帰り際、桃を持たせてくれました。感謝にたえません。人生の大先輩の慈しみと責任のある言葉を受けとめ、この課題に向き合いたいと思います。

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