こんにちは、中山のりひろです。皆様のお蔭で、衆議院三期目の議席をお預かりさせていただいております。引き続き、財務金融委員として金融・税制を、内閣委員会理事として内閣の重要政策である経済財政や規制改革、子育て、働き方改革、防災、天皇制度、領土問題、宇宙・IT政策を中心に、そして科学技術イノベーション特別委員会理事として科学技術の進展について、さらに消費者問題特別委員として消費者政策を担当しております。

日本経済は当面の成長軌道に乗り、巡航速度で歩みつつあります。設備資本が投下され、多様な労働力が登場し、技術革新により生産性を上げる、潜在成長力を高める準備は始まっています。

これで、日本の国際競争力はよみがえるのでしょうか。

世界市場では、国家・企業に有利な「競争のルール」を巧みにつくることによって、市場を支配、あるいは市場の代謝をはかる熾烈な駆け引きがおこなわれています。

いままで日本企業が高い技術力と信頼によって優位だった市場においても、ルールやプラットフォームが変わり、存在感が脅かされています。まるで、日本人選手のお家芸とも言われるスポーツ競技でルールが変更され、勝てなくなってしまうのと同様です。

たとえば、脱CO2、自動運転へと本格化する自動車産業。日本メーカーの独壇場であるハイブリッド車や内燃機関での省エネ化は環境車の枠から外す動きがあり、電気自動車(EV)への潮流が加速されています。しかし、EV電池の製造や原料であるレアアースの資源開発へは手が出しにくくなっています。

また、日本勢が実装を目指す、車に搭載されたセンサーやカメラからの情報をもとに制御する自律走行に対し、莫大なインフラ投資をおこない、GPS(全地球測位システム)などと連動した自動運転を実現しようとする計画もあります。中国が一帯一路構想を軸に、中央アジアから欧州へ延びる陸路網、そして東南・南アジア、アフリカ諸国の港湾や空港の整備で資金や企業進出の面から席巻し、覇権的な経済圏をつくろうとしてとしているのはご承知の通りです。一方、日本は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱しています。自由・法の支配・航行の自由・民主主義・市場経済といった基本的価値を共有しようと取り組んでいます。

我が国はこれからも人口減少が続く中、生産年齢人口の割合は減り、被扶養人口は増えます。現役世代の方は、より多くの人を支える社会になっていきます。GDPの多くを占める内需を喚起し、日本が等身大に成長することは然りですが、外需と海外投資による収益によってカバーしていくことも、とても大事です。

日本はいつの間にか、従順で工夫が得意、物ごとを決めない、マンガ・アニメ・ゲームの非現実空間に強みをもつ、成熟した国との印象から、私は、世界市場において『技術で勝ってルールで負ける』ことがないよう、企業と政府が有機的に取り組み、二〇年後を見据え、日本の進路を打ち立てていかなければならないと思います。

 

PDF(20180105自由民主号外) ダウンロード

Previous post家事のアウトソーシング「洗濯代行」普及に関しての意見交換会@衆議院議員会館 Next post『ルール形成戦略議員連盟』にて意見交換