こんにちは、中山のりひろです。皆様のお蔭で、衆議院財務金融委員として金融・税制を、内閣委員として内閣の重要政策である経済財政、全世代型社会保障改革、IT政策、知的財産、健康・医療戦略を中心に、そして地方創生特別委員会理事として規制改革やスーパーシティ構想を担当し、さらに科学技術イノベーション特別委員会理事、消費者問題特別委員を拝命しております。
最近、SDGs(持続可能な開発目標)のピンバッジを目にされることがあると思います。
SDGsは、2015年の国連サミットで採択した「持続可能な世界を実現するための2030年までの国際目標」のことです。『あらゆる貧困と飢餓を終わりにし、国内・国際的な不平等と戦うこと。恐怖と暴力から解放され、平和で公正かつ包摂的な社会を築くこと。人権を保護し、ジェンダー平等と女性・女児が潜在能力を発揮できること。地球を破壊から守り、永続的な需要にこたえられる消費と生産、資源管理、気候変動へ緊急の行動をとること。すべての人々に共有される経済成長、働きがいのある人間らしい環境を各国の発展過程の違いを考慮してつくり出すこと。』を決意し、17の目標と169の指標を掲げています。
そして、地球上の誰一人も置き去りにしないことを誓い、すべての人が一年を通じて食料を十分に得られるよう、私たちの責任として「2030年までに小売・消費の段階での世界全体の食料廃棄を半減し、食料収穫後の生産・サプライチェーンにおける損失を減少させる」ことが記されています。
我が国では、これまでも消費者基本法をはじめ食品リサイクル法、食育基本法により努めてきましたが、この国際目標を踏まえ、過日、衆議院・消費者問題特別委員会にて『食品ロスの削減の推進に関する法律案』を起草し、成立しました。
ここで「食品ロス(フードロス)」とは、まだ食べられるにもかかわらず、廃棄される食品を言います。
全世界でつくられている食料は年間約40億トンと全人口を賄うのに十分な量ですが、その3分の1が捨てられ、世界の9人に1人が十分な食料を得られていません。また、日本の食品ロス量は約646万トン、飢餓に苦しむ人々への世界全体の食品援助量の2倍で、日本人一人当たりではお茶碗1杯分が日々廃棄されている計算になります。
今次の立法では、日本社会として、食べ物を無駄にしない意識をさらに深め、まだ食べることができる食品はできるだけ活用していくことを目指しています。
例えば、企業・農家などから未利用食品の寄付を受け、必要としている人や施設へ提供するフードバンクの活用、食べきれない料理の持ち帰り(ドギーバッグの利用)が消費者の自己責任を前提にされる試み、期限表示の「賞味期限(おいしく食べることができる期限)」と「消費期限(過ぎたら食べないほうがよい期限)」の理解を促すことです。
ちなみに、先日、コンビニ大手は、期限の迫った食品のポイント還元を通じた実質値引きを発表しています。また、フランスでは「食品廃棄禁止法」により、大型スーパーは慈善団体へ食品寄付をすることが義務づけられています。
私たちが、沢山の量が準備される食べ放題やビュッフェ、品切れのないスーパーへの意識を変えていくことも大事だと思います。
一方、世界人口の増加にともなう食料需要拡大に、今後、身の多いマグロや養殖しやすいマグロ、栄養豊富なトマトといったゲノム編集食品によって食料生産が飛躍的に向上し寄与できると考えられます。
輸入に依存している我が国の、私たちの食卓から、ぜひSDGsへ貢献できればと存じます。