ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、北朝鮮のミサイルや核開発、そして世界的なコロナ感染が複合し、様々な影響が私たちの生活に及んでいます。エネルギーやレアアースなどの資源、小麦など食材を含む原材料の価格高騰に加えて、円安による輸入物価の上昇は、家計をはじめ物流、学校給食まであらゆる場面へ負担の広がりが心配されます。私たちの日常が動じないよう、我が国は安全保障はもとより外的要因の耐性のある社会経済の構造へ適応していくことが大切です。
折しも5月には『経済安全保障推進法』を成立することができました。私たちの生活に必須な物資や、電気・ガス・水道、通信、金融、交通などの基幹インフラ、先進技術と科学研究が、安全保障上の脅威にさらされないことと同時に悪用されないことを主眼としています。したたかな外交、経済関係を模索する一方で、自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値をもとに、その世界線映す、財やサービスの国際サプライチェーンや経済圏の再構築を考えることも必要なときかもしれません。
いま、私たちはAI・ロボット、ネットワーク実装による有機的なデジタル、EVや水素エネルギーなどの浸透からカーボンニュートラル、災害やパンデミックに堅牢で持続可能な環境へと駆け足で進んでいます。そして、エシカル(倫理的)消費のように、人権や地球環境、食糧・エネルギー・医療に係る安全保障をも慮った生活様態が浸透しはじめていると思います。
「子育てしやすい」「女性が存分に活躍できる」「チャレンジ、スタートアップが望める」「働くひとへきちんと分配される」、そういったことが評価される企業環境や社会へとさらに変貌していかなければなりません。
我が国から国際社会において新たな秩序『新しい資本主義』の展開へなお一層努めてまいります。
皆様におかれましてはご自愛の上、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。